どんな影響がある?看護師不足が引き起こすものとは

人材不足で激務に悩んでいる看護師へ

看護師不足が及ぼす影響

看護師不足が及ぼす影響

看護師が不足している原因には激務、潜在看護師の多さ、人間関係の悪化、などいくつかありますが、人材が不足していることでどのような影響がもたらされるのでしょうか。


責任や負担が増える

病院が看護師の人数が足りないから患者さんの数を減らそうとすることはまずありません。そのため、看護師の人数が少なければ負担される仕事の量も多くなって責任もされに重くなりますし、ギリギリの人数でシフトを組むことになるため体調不良などで急に休むことがあれば基準以下の人数で行うことになってしまいます。看護師の主な仕事は患者さんの体調をよく観察し変化に気を付けることですが、人数が少なくなってしまうと看護師一人あたりが担当する患者さんの人数も増えてしまうためますます負担が大きくなってしまいます。
また、患者さんの体調変化に気を配ることが業務の中心になってしまい、カルテの記入や勉強会の資料作り、サマリーの作成や委員会活動といった看護ケア以外の仕事を勤務時間内に行うことが難しくなってしまいます。そうすると、時間外勤務や休日出勤を行うことになってしまい、ゆっくり休息をとることもできなくなってしまいます。さらに夜勤についても、少ない人数でシフトを組むことになるため夜勤の72時間ルールを守ることも難しくなります。

看護の質が低下する

看護師一人あたりが担当する患者さんの数が増えると患者さん一人一人と向き合う時間をゆっくり取ることもできなくなります。なぜなら、あらかじめ患者さんに行うケアや医療行為は決まっているため、人数が増えることによって一人にかける時間が短くなってしまうからです。時間が短くなってしまうと自分では丁寧にケアを行っているつもりでもどこかに焦りを生じてしまい、いつものように時間をかけて行っていたようなケアができなくなることもあるかもしれません。いつもと違うケアは患者さんにも大雑把にやられてしまったと不満を抱かせてしまったり、焦りから医療ミスを起こしてしまう可能性もあります。
またそれだけでなく、ナースコールにも対応しなければなりません。ナースコールは緊急性があるときに鳴らされることが多いのですが、人数が足りないとすぐに駆け付けることは難しくなってしまうため患者さんに迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。

看護師不足に拍車がかかる

看護師の数が十分に足りていれば一人あたりが担当する患者さんの数も適正な人数になるため負担も減り、有給休暇や長期休みなどの休みも取りやすくなります。また、こういったメリットがあると、そのメリットを求めて他の病院から転職してくることもあります。そうすると、ますます人数が充実してくるため負担もさらに軽減されます。しかし、看護師の数が不足していれば負担は大きくなり、有給休暇や長期休みを取ることはできなくなります。負担が少なく休みが多い病院と負担が多くて休みがない病院だったら、看護師の人数が多くて負担が少ない病院に働きたいと思うのは当然のことです。そのため、人数が多い病院はさらに人数が増え、人数が少ない病院はますます看護師不足になってしまうのです。