看護師の就業状況について

人材不足で激務に悩んでいる看護師へ

まずは看護師の就業状況を知ろう

まずは看護師の就業状況を知ろう

求人倍率が高く売り手市場であるにもかかわらず人材不足に陥っている原因の一つに離職率の高さがあります。離職率についてはこれまでも大きな問題となっていたため、2010年に保助看法などによって新人看護師の研修を義務化する方策が出されました。これにより新人看護師の離職率を減少させることに成功しましたが、だからといってすべての病院で効果が出たわけではありません。また、新人看護師に限らず夜勤の多さも離職率を高める原因の一つで、月72時間以上夜勤している病院は離職率が高いというデータもあります。

  • 就業人数

    看護師は人材不足であるというイメージが強くありますが、就業人数だけをみてみると、2014年時点でその数は108万6779人と決して少ない数ではありません。しかしながら、病院数など地域によって差があるため人口10万人あたりの各都道府県の看護師の就業人数をみてみると、高知県や鹿児島などの九州を中心とした西日本は数が多い傾向がある一方、人口自体が多い首都圏の就業人数は少なく、西日本のわずか半数ほどしかいません。

  • 求人倍率

    全国69ヶ所に設置されているナースセンターの登録データを参考に看護師の求人倍率についてみていきましょう。看護師の求人倍率は2.79倍と高く求職者に有利となる売り手市場ですが、求人数の内訳をみてみると病院が46.4%と全体の半数近くを占めています。しかし、近年は介護施設や訪問看護ステーションなどの増加にともない介護系施設での看護師の需要も多く、それは介護系施設の求人数の割合が26%と約3割近い数字からも読み取ることができます。

  • 離職率

    これまでも看護師の離職率の高さが大きな問題となっていましたが、2010年に保助看法などによって新人看護師の研修を義務化されたことにより新人看護師の離職率を下げることに成功しました。しかしすべての病院で効果が出たわけではなく、個人病院など規模の小さな病院はまだ離職率が高い傾向があります。また、新人看護師に限らず、夜勤の多さも離職率を高める原因の一つです。夜勤の時間数が72時間を超えている病院ほど離職率が高い傾向があります。