看護師の就業人数をみてみよう

人材不足で激務に悩んでいる看護師へ

就業人数

就業人数

2014年に厚生労働省が公表した「衛生行政報告例(就業医療関係者)」から、看護師の就業人数について詳しくみてみましょう。


看護師の就業人数は過去最多に

この報告例では2004年から2014年までの10年間の看護師と准看護師の就業人数をグラフ化し、2年ごとの看護師の就業人数についてそれぞれ割り出されています。このグラフによると、看護師の就業人数は2004年には76万221人、2008年には87万7182人と増加していき、2012年には101万5744人と100万人を突破するまでになりました。その後も就業人数は増加の一途をたどり、2014年にはさらに7万1035人増えて108万6779人と過去最多の就業人数となりました。

准看護師は減少傾向に

順調に増加の一途をたどる看護師とは反対に准看護師の就業人数は減少傾向にあります。2004年には38万5960人だった就業人数も少しずつ緩やかに減少していき、2008年には37万5042人と2年間で1万人ほど減少しました。その後も減少は止まらず、2012年には35万7777人とかろうじて35万人はいたものの2014年にはそれをも下回り、34万153人と減少の一途をたどっています。

男女の割合は?

2014年の看護師の就業人数から男女の割合をみてみましょう。看護師108万6779人のうち男性は7万3968人、女性は101万2811人と圧倒的に女性の人数が多くまだまだ女性中心の業界であることが分かります。しかし、人数が少ないように思われる男性看護師ですが10年前の2004年はもっと少なくわずか3万1594人しかいませんでした。そのときと比べると、女性よりはまだまだ少ない割合とはいえ人数自体は大幅にアップしています。

就業場所は?

看護師の就業場所といわれたら大抵の人が病院を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに就業場所の76.0%は病院が占めているため、看護師=病院と思ってしまうのも仕方がありません。病院以外の就業場所として診療所が10.8%、介護保険施設が5.7%と続いていきますが准看護師はこの割合が異なり、診療所が31.1%、介護施設が19.0%、そして病院が44.7%となっています。

都道府県別にみると

人口10万にあたりの就業人数が最も多いのは高知県の1314.4人で、それに次いで鹿児島の1215.6人、佐賀の1200.0人、熊本の11891.人と九州地方を中心とした西日本が多い傾向がありますが、これは病院や病床の数が多いことが理由としてあげられます。人口が多い首都圏の方が多いように考えてしまいがちですが、首都圏は人口が多いわりに病床数が少なく埼玉県の人口10万人あたりの就業人数はわずか568.9人と高知県の約半分ほどしかいません。