人材不足で起こる人間関係の悪化は精神的ダメージが大きい

人材不足で激務に悩んでいる看護師へ

人間関係による退職も

人間関係による退職も

職場の人間関係は看護師の離職理由の大きな割合を占めているほど重要な問題です。どんな問題があるのかそれぞれのパターンから詳しくみてみましょう。


上司の場合

職場の人間関係で最も大変だとされるのが、上司との人間関係です。上司といえば看護部長が思い浮かぶ人も多いかもしれませんが、ここでは師長や主任といった役職者やプリセプターといった指導側の役職についている人はすべて上司とします。プリセプターも?と思うかもしれませんが、新人看護師の教育を担当しているプリセプターはプリセプティにとっては指導してくれる上司の一人ですので、上司というカテゴリーに一緒に組み込んでおきます。
看護師は命を預かる現場で働いているため常日頃からプレッシャーのかかる職場で働いているわけですが残業も多く、夜勤などの勤務シフトもあるきつい仕事です。そのため、余裕もなくピリピリとした雰囲気の職場もたくさんあります。そんな雰囲気だと、分からないことがあってもなかなか聞きに行けなかったり聞きに行ったけど教えてもらえなかったり、ひどい場合は罵倒されることもあります。
チーム医療を基本としている職場も多いため、報告・連絡・相談のホウレンソウが大切になりますが、このようにピリピリした雰囲気の職場だとそれもままならなくなってしまいます。ただでさえ、プレッシャーが多くきつい仕事の中で働いているにもかかわらず、人員不足になってしまうとこれまで以上に一人あたりの業務量が増えてさらにイライラしてしまい、職場の雰囲気ももっと悪くなってしまいます。そうなるとしわ寄せがいくのは、一般の看護師や経験の浅い看護師です。しわ寄せを受ける側にとっては最悪な環境の中で仕事をすることにあなってしまうため精神的なダメージも大きく、耐えきれず辞めてしまうというケースも少なくありません。

同僚の場合

看護師は女性の割合が多いため、どうしても女性特有の悩みがつきものです。たとえば、仕事が早く終わったのに他の人が終わるのを待たなくてはならなかったり、表面上では仲良くしているのに本人がいないところでは悪口をいっていたり、それを聞いて自分もいわれているのではないかと疑心暗鬼になったり、などいろいろあります。
これらを解決する方法ははっきりいってありません。解決したように思えてもまた新たに似たような問題が発生してくるからです。どうしても解決したいのであれば、仕事上だけの付き合いと割り切った人間関係を構築している職場で働きましょう。こういった職場ではあまり深くかかわろうとしないため、仕事上で必要なコミュニケーションしか取ろうとしません。そのため、ドロドロとした人間関係に発展することもなく適度な距離間で付き合うことができます。

その他の医療従事者の場合

看護師の人間関係の問題には上司や同僚だけでなく、医師との関係もあります。医師は専門性が高い職種ですが、独特な感性を持っている人も少なくありません。独特な感性についていくだけでの大変なのに、医師の指示がよく分からなかったから確認したら罵倒されて仕事に行けなくなったなど、医師との人間関係に悩んでいる人も多くいます。