人材不足で激務に悩んでいる看護師へ
看護師の資格を持ちながらも看護師として働いていない潜在看護師の数は全国で約70万人と決して少なくはない人数です。なぜそれほど多くの潜在看護師がいるのでしょうか。その理由として看護師は女性の割合が多い職場だからということがあげられます。結婚や出産などライフスタイルの変化にともなって看護師を辞めてしまう人も少なくありませんが、ブランクがあると日々進化する医療業界についていけるのか、仕事とプライベートは両立できるのかといった不安が大きくなるため、なかなか復職に至らないのです。
看護師が人材不足になっている原因は退職者が多いことにあります。看護師は命を預かる仕事なためプレッシャーも重く、体力的にもキツイ仕事だからです。よく看護師の仕事は3Kだと表現されることがあります。日勤だけでなく夜勤もある看護師は不規則な生活リズムになりやすく、常に病気の患者さんの近くにいるため感染してしまうリスクもあります。また汚物や吐しゃ物など思わず眉をひそめてしまうような仕事もあるため、辞めたいと思ってしまうのも仕方ありません。
人間関係も退職の理由の一つです。看護師は女性の多い職場なため女性特有の人間関係に悩んでいる人やきちんとした指導が得られないなど上司との関係に悩んでいる人など人間関係に悩んでいる人も多くいます。また、人材不足に悩んでいる職場では一人あたりの仕事量も多く余裕があまりないためピリピリした雰囲気になりやすく、人間関係も悪化しやすくなります。人間関係の悪化は体力的だけでなく精神的にも大きなダメージを与えるため、辞めたいと考えてしまうのかもしれません。
看護師が不足することでさまざまな影響が出てきます。人材が不足しているということは少ない人数で仕事を回さなければならないため、一人あたりの仕事量が増えたり急な休みに対応できなかったりと負担が大きくなってしまうため、患者さんに寄り添った丁寧なケアや適切な医療行為ができず看護の質も低下してしまいます。このような状況の中で仕事を続けていくことは体力的にも精神的にも厳しいため、仕事を辞めたい、違う職場で働きたいと考える人も増えてしまい、ますます人材不足に拍車がかかってしまうのです。